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濡れているの?凍っているの!?地面が見えているのに滑る!?危険な“ブラックアイスバーン”について

2025/12/11

アイスバーンとは?

アイスバーンとは、氷のように凍結した路面のことを指します。雪がよく降る地域では、このワードを聞くと「また運転の怖い季節が来たなあ」と思う方も多いかと思います。
アイスバーンは雪が降った翌日に気温が上昇し、夜になって急激に冷え込むことによって道路の雪解け水が凍って発生します。道路の状況や気象条件などによって以下の3タイプに分けられます。

アイスバーンの種類

圧雪アイスバーン

路面に降り積もった雪が、通行する車のタイヤによって踏み固められて圧雪され、硬い氷の層を形成して固まった状態。白く目立つため視認性が高いこと、他のアイスバーンと比べると比較的走行しやすいことから危険性が低いと思われがちだが、日差しで雪が解けたり、雨で濡れたりするとより滑りやすくなる。

ミラーバーン

雪道が文字通り鏡のように光沢のある氷状になっている路面。雪がタイヤで踏み固められた上に磨かれることによって発生する。交通量の多い道路や交差点など、何度もアクセルとブレーキを繰り返される場所で発生しやすい。こちらも視認性が高い。

ブラックアイスバーン

アスファルトの表面が氷に覆われた状態。特定の条件で発生しやすい。一見すると濡れているだけの路面に見えるが、他のアイスバーンと比べても非常に滑りやすい。視認性がとても低い。

ブラックアイスバーンはなぜ危険なのか

他のアイスバーンと比較し最も危険とされるブラックアイスバーンですが、なぜそれほどまでに危険なのでしょうか。

スタットレスタイヤでも滑る最恐の路面

ブラックアイスバーンは、雪が降り積もった白くなっている道路よりも滑りやすく、スタッドレスタイヤでもスリップするケースもある「最恐」と表現される路面です。

降雪時や路面凍結時は、雪の白さや凍結箇所の光の反射によって路面状況を「滑りやすい箇所だ」と目視で確認が可能です。

一方で、ブラックアイスバーンはアスファルトが濡れているだけのように見えるため路面状況を誤認しやすいのです。

凍結路面では車の制動距離が大幅に延長されます。

※制動距離:車がブレーキをかけてから完全に停止するまでに走行する距離のこと。
実際に雪の積もった冬道を運転した経験のある方は感覚としてわかりやすいかと思いますが、通常のアスファルト路面に比べて、ブラックアイスバーンではタイヤのグリップ力が大幅に減少し、急ブレーキによるスリップやカーブでの横滑りなどハンドル操作が効かないため事故につながります。

ブラックアイスバーンのできやすい条件

ブラックアイスバーンは発生しやすい条件や特徴があります。それらを正しく理解して、事故を未然に防ぎましょう。

気象条件

ブラックアイスバーンは、特に2つの気象条件によって発生しやすくなります。

気温が0℃を下回る場合

路面上の水分が凍結し、薄い氷の層を形成。この気温帯では路面凍結が始まるため、ブラックアイスバーンが発生しやすい。

晴れた冷え込みの強い朝

夜間の放射冷却で路面温度が大幅に下がり、朝の時間帯に透明な氷が張りやすい。

場所

ブラックアイスバーンは、特に3つの場所(地形と道路環境)で発生しやすくなります。

橋の上やトンネルの出入り口

こういった場所は地面からの熱が遮られてしまうため路面温度が下がりやすく、わずかな水分でも凍結しブラックアイスバーンはが発生しやすい。

交差点付近

発進や停止が頻繁に行われるため、タイヤの熱で溶けた雪や水分が、気温が下がると同時に凍結しやすい。特に信号のある交差点付近では要注意。

日陰になりやすい場所

日光が当たりにくい場所では路面温度が上がらないため、日中でも凍結が残ることがある。道路の片側だけが凍結していることも考えられるため要注意。

被害を避けるためにできること

ブラックアイスバーンが原因で発生する事故を防ぐためには、運転中の周りへの注意が欠かせません。歩行者や信号、周りの他の車への注意を常日頃からされているかと思いますが、通常のアスファルトと特に見分けることが難しいブラックアイスバーンへの対策は、より一層慎重な運転姿勢と適切な準備が欠かせません。

そこで、運転前にできるマストアイテムの“備え”と運転時の“心得・テクニック”をご紹介いたします。

スタットレスタイヤの装着

凍結路面は言わずもがなですが、雪道を夏用タイヤで走行することは大変危険です。また、「オールシーズン用」として販売されているタイヤも凍結路面では全く歯が立ちません。

冬道の運転においてはスタッドレスタイヤが必須ですし、スタッドレスタイヤの中でも特に氷上性能に優れた、グリップ力の高いタイプを選ぶと良いでしょう。

タイヤチェーン

しかし、「スタッドレスタイヤを履いているから冬道も安心!」ということではありません。

JAFが行ったテストによると、9%勾配のある氷盤路において、スタッドレスタイヤの装着のみだった車は再発進できませんでしたが、スタッドレスタイヤに加えてタイヤチェーンをしていた車の場合は再発進が可能だった、という結果が出ているのです。

凍結路面への備えとして、タイヤチェーンの携帯は有効ということがこの結果からも明白です。

タイヤチェーンは大きく2種類に分けられます。

金属タイプ

亀甲型とはしご型があり、非金属チェーンと比べるとコンパクトに収納可能です。一方で重い、というデメリットがあります。

ちなみに、同じ金属タイプの中でもより坂道に強いのは亀甲チェーンというテスト結果もあるようです。

金属チェーンは時速30キロ以下の走行を想定して設計されているものが多いです。
(商品によっても異なり、時速50キロ以下想定のものもあるため、ご自身がお持ちのもの、購入予定のものの想定速度を確認することをおすすめします。)

非金属タイプ

金属タイプと比べて軽く、比較的扱いやすいため、取り付ける際の手軽さと耐久性が高いことが特徴的です。走行時の振動や騒音も少なく、そういった意味合いでも扱いやすいと言えるでしょう。

以前は金属タイプのタイヤチェーンと比較すると価格が高めであったのですが、現在はこちらのタイプがタイヤチェーンの主流となってきていることもあり、お手軽に購入できる商品も増えてきています。

多くのタイプが時速50キロ以下を想定して設計されています。

それぞれの特徴を正しく理解の上、車にタイヤチェーンを備えておくことで、より万全に近い冬の運転ができるのではないでしょうか。

余裕を持った移動

急いで運転している場合、余裕が無い状態で運転している場合、これらは平常時でも注意力の散漫やスピード超過の一因となります。

事故を防ぐためには、大前提として余裕をもって移動することが大切です。

事故を防ぐために心がけたいことや、すぐにできるポイントを4つご紹介いたします。

事故を未然に防ぐ心得とテクニック

車間距離とスピードに気を付ける

滑りやすい路面を運転する上で重要なポイントは、いつも以上に車間距離を取ることが大切です。横からの不意の飛び出しに対しても止まる、避けるなど事故を未然に防げる可能性がぐんと上がります。

そして、スピードを落としておくことによってわだちにハンドルを取られた際も修正がしやすい、アイスバーン上でも車のコントロールが効きやすい、というメリットがあります。

急発進・急ブレーキ・急ハンドルを避ける

「急」のつく3つである、急発進・急ブレーキ・急ハンドルは、車が滑る要因です。スタッドレスタイヤを履いていた場合でも、グリップ力を超えた入力は車のコントロールを失わせてしまいます。

下り坂では、ブレーキが効きにくいため、坂道に差し掛かる前にブレーキをかけて少しずつスピードを落とすように、上り坂では、発進が難しいため、アクセルをゆっくりと操作していくことが大切です。一度スリップしてしまうと、タイヤが接地している部分の路面が磨かれてしまい、さらに上りにくくなってしまいます。

最小限の車線変更・タイヤの跡を選んで走る

雪道やアイスバーン上では、運転操作をできるだけ最小限にすることがとても重要です。道路上において、車線とその周りでは雪の量が異なります。無理な車線変更や追い越しは、スピンする可能性が高くなるため、急がば回れを意識しましょう。

できるだけタイヤの跡に沿って走行することがとても大切ですが、わだちや雪の塊を避けるためにハンドル操作を頻繁に行うことも、同様にスピンの可能性を上げてしまうため注意しましょう。

ポンピングブレーキを行う

アイスバーンで通常のブレーキを行うと、急な制動力が加わることによって車がスリップする可能性があるため、ポンピングブレーキを活用すると安全に停止しやすくなります。

ポンピングブレーキとは、停止したい地点よりも前から、浅めのブレーキを複数回に分けて踏むことを指します。

特に、タイヤのロックや制御不能を防止する「ABS」機能が搭載されていない車は、搭載されている車と比較してスリップする可能性が高いため、急ブレーキを行わないよう、注意が必要です。また、ポンピングブレーキを意識することで余裕を持った減速ができるほか、後続車にブレーキを促すことで追突事故を防ぐ効果もあります。

さいごに

今回はアイスバーン、その中でも特に危険なブラックアイスバーンに関してご紹介いたしました。

運転の中でもさらに緊張感の高まる冬道の運転。いつもよりさらに余裕を持った運転で安全に走行しましょう。

冬道の運転、少しでもブレーキやアクセルを踏む機会を減らせるように高速道路を利用される方もいらっしゃるでしょう。

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