電子車検証とは?従来の車検証との違いを解説!

2025/06/03

はじめに

車検をすると必ずもらえる重要書類、車検証ですが、20231月より電子化されていることをご存知でしょうか。(※軽自動車は20241月より)
なかなかじっくり見ることが少ない車検証ですが、電子化に伴って変化した点も多くあるため、それらについて解説していきます。

 

 

4つの変化

車検証の電子化に伴って多くの点が従来のものから変更になりましたが、その中でも特徴的な4つの変化に関して解説していきます。

形式

まずは見た目でとても分かりやすく、A4サイズ相当から、A6サイズ相当に小さくなりました。今までのものと比べるとおよそ1/4で、文庫本と同じくらいです。
電子車検証を含む車検証は、車に備え付ける義務があるため、小さくなったことにより保管がしやすくなりました。

記載内容

車検証に記載される項目が大幅に減りました。
具体的には以下の通りです。

【電子車検証(券面)に記載されている内容】

  • 使用者の氏名又は名称
  • 車両の識別符号

 

【電子車検証(券面)に記載されない内容】

  • 車検証の有効期間
  • 使用者の住所
  • 使用の本拠の位置
  • 所有者の氏名・住所

 

情報の取得方法

電子車検証(券面)に記載されない内容は、PCやスマートフォンにて専用アプリをダウンロードすることによって確認ができるようになります。
車検証閲覧アプリに関して、ダウンロードおよび詳細は国土交通省の下記サイトをご確認ください。

車検証閲覧アプリ|自動車所有者・使用者の方へ|電子車検証特設サイト

▼車検証アプリを用いての閲覧が難しい環境の場合

  • 車検の際に申し添えをするとほとんどの場合は自動車検査証記録事項(アプリで確認できるもの)も一緒に渡してもらえる
  • 車修理などができる業者へ依頼すると出してもらえるえることもある

とのことです。

 

車検時の手続き

車検証が電子車検証へ移行したことによる、車検時の手続きの大きな変化はありません。しかし、従来の車検証には記載があった「車検の有効期限」の券面への記載がないため、車に貼ってある車検更新シールを確認、もしくは車検証閲覧アプリより確認が必要になります。車検時期を過ぎてしまった、ということが無いように注意しましょう。

 

 

電子車検証へ移管したことによる利便性

携帯性が向上

公道通行時には携帯が必須の車検証ですが、A6までサイズが縮小されたため、携帯性が大幅に向上しました。

車が近くにない場合も車検情報の確認が容易に

PCやスマートフォンアプリで車検情報が確認できるようになったため、車検情報を確認したい該当車両が遠方にある際にも、事前に読み取りをしておくことによっていつでも車検情報の確認ができるようになりました。レンタカー会社やたくさんの配送車を抱える運送会社等は特に利便性を感じられるのではないでしょうか。

 

リコール情報の確認

車検証閲覧アプリには、所有している(アプリに登録している)車のリコール情報も届きます。もちろん頻繁に発生するものではありませんが、安全にかかわる情報のため、こういった情報をアプリで受け取れるというのは大きな利点と言えるでしょう。

空き容量を活用

車検証のICタグを利用しての「車検証の空き領域の利活用サービス」というものが20254月から開始となっております。
具体的には、「ワイパーやオイルなど車の消耗品を前回いつ交換したのか」をICタグに記録することによって、レシート保管などをしなくても定期的な交換が促される、といった事例もあるそうです。
まだまだ始まったばかりのサービスですから、これからより多種多様なサービスが増えていくことでしょう。

参照:車検証の空き領域利活用ポータル|車検証を利用して新たなサービスを始めませんか?

 

 

留意事項

取り扱いに関して

従来の車検証と異なり、ICタグが埋め込まれるようになったため、取り扱いには注意が必要です。A6サイズ相当と従来と比較してサイズが小さくなったとはいえ、場所を取るからと折り曲げることは厳禁となります。心配な方は百円ショップなどで販売されている硬いファイルに入れると良いでしょう。

また、同じ理由でコピーやFAXを利用する際も、自動送り機能では折れ曲がってしまう可能性があるため、ガラス面を利用するようにしましょう。

あわせて、直射日光なども厳禁となりますので注意しましょう。

データ通信環境

アプリでのみ閲覧可能な情報は、データ通信環境が整備されていることが前提となっております。
ICカードリーダーを搭載したPCNFC対応のスマートフォンが無いと詳細情報の確認ができないため、注意が必要です。

手数料

今回の電子化に伴って、自動車検査の手数料が数百円引き上げとなっております。

しかし、OSS申請(自動車の保有に必要な手続きをインターネット上で一括して行うサービス)にて手続きを行う場合は200円安くなるため、上がり幅は小さくなります。

 

 

おわりに

今回は電子車検証について解説をしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
電子車検証は、従来の紙の車検証に代わり、ICタグを搭載したデジタル形式の車検証です。持ち運びがコンパクトで車検時の手続きが簡略化されるなど、ユーザーにとっても事業者にとってもさまざまなメリットがあります。

ちなみに当組合から法人様 / 個人事業主様がETCカード発行をご希望される場合も「自動車検査証記録事項(アプリで入手できるもの)」の写しが必要となります。

アプリの使用に不安感がある方は、車検時に電子車検証と一緒に自動車検査証記録事項をもらえるか確認の上、保存しておきましょう。
国土交通省の発表では202712月までは運輸支局の窓口で自動車検査証記録事項をお渡しすることになっています。

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