罰則もある?社用車のアルコールチェック義務化について解説!
2026/03/16
アルコールチェック義務化とは?
2022年4月に道路交通法が改正され、2023年12月1日からアルコールチェック検知器を用いたアルコールチェックが義務化されたことを指します。
これによって違反した場合どのような罰則が科せられるのか、どのように対応すればよいのかを本コラムで解説していきます。
目次
アルコールチェック義務化の対象となる企業・事務所
アルコールチェックの実施が必須となる企業や事業所の条件は大きく以下2つに分けられます。
・乗車定員が11名以上の自家用自動車を1台以上保有している事業所
(スクールバスやホテルの送迎車などもこれに当てはまります。)
・その他自家用自動車を5台以上運用している事業所
(営業車などもこれに当てはまります。)
配達などでバイク(自動二輪車)を使用している事業所も、大型自動二輪車や普通自動二輪車は0.5台として計算されますので注意が必要です。
また、日頃運用する自家用自動車が5台未満でも、出張などで偶発的に使用する自家用自動車がある場合はそれも台数の算定に含まれる可能性があります。
正しい算定を行うことで法令を遵守しましょう。
対象の事業者が対応するべきこと・実施の流れ
アルコールチェック義務化に正しく対応するためには、文字通りアルコールチェックのみをすれば良い、というわけではありません。
社内規定の整備や従業員への教育など、対応が必要な事項は多岐にわたります。
1 安全運転管理者の選任
「安全運転管理者」は主に安全運転の指導や管理を行う人を指します。従業員の交通安全維持のために、従業員のアルコールチェックの指揮などを行います。
特定の資格は不要ですが、要件がいくつかあり、20歳以上であること、そして自動車の運転に関して2年以上の実務経験を有する者、などがあります。
使用する自動車の台数が20台を超える場合は、20台ごとに1名の副安全運転管理者を選任する必要があり、安全運転管理者が不在の際には副安全運転管理者がドライバーのアルコールチェックに立ち会います。
2 アルコールチェッカーの手配・メンテナンス
アルコールチェッカーは国家公安委員会による基準を満たした認定機器を用意する必要があります。
価格帯や形状も様々なものが市場に出回っていますが、アルコールチェックそのものが負担とならないよう、使いやすさも選定の基準とすることが大切です。
また、アルコールチェッカーが適切に使用できず、アルコールチェックが行えなくなる事態を避けるため、購入して終了ではなく、適切なメンテナンスを行いましょう。
特にアルコールガスセンサーの耐久性は一般的には1年~1年半の間に交換が推奨されているものが多く、加えて既定の使用回数に達した場合も交換のタイミングとなる為、定期的な交換を忘れず行いましょう。
3 記録・保存体制の構築

社用車を利用する場合、アルコールチェックは運転前後の2回行う必要があり、かつその内容は正確さと一貫性が求められます。
アルコールチェックをして紙に記録し、またそれをエクセルで表管理する、ということも不可能ではありませんが、信頼性の高い記録の確保のためにも、アルコールチェックアプリなどを活用して安全なクラウドシステムに保管することがおすすめです。
4 アルコールチェック実施の流れ
▼運転前
1)安全運転管理者が目視で運転者の状況をチェックします。
顔色は悪くないか、お酒の匂いがしないか、等
2)運転者がアルコールチェッカーを使用してチェックを実施します。
3)チェックした結果を記録します。
4)運転前に車両の日常点検(ブレーキやライト等)を実施します。
▼運転後
1)安全運転管理者が運転者の状況をチェックします。
2)アルコールチェッカーにて再度チェックを実施します。
3)チェックした結果を記録します。
4)安全運転管理者が内容を確認し、必要に応じて修正依頼や、確認を実施します。
5)記録簿を1年間保管します。
5 アルコールチェックの記録項目
せっかく記録したものが無効となってしまわないように、規則に則った記録を行いましょう。以下8項目が記録事項となっています。
1) 確認者名
チェックを実施した担当者の氏名(安全運転管理者)
2) 運転者名
チェック対象となる運転者の氏名
3) 車両情報
使用される自動車の登録番号、もしくは識別可能な記号や番号
4) 確認日時
チェックを実施した具体的な日時
5) 確認方法
アルコールチェッカーを使用した場合、その旨を必ず記入
※2023年12月より使用義務化
確認方法が対面ではなかった場合、ビデオ通話を使用しての確認、等、具体的な方法を記載
6) 酒気帯びの有無
チェックの結果、酒気帯びが確認されたか否かを明記
7) 指示事項
チェック結果に基づいて運転者に行った指示内容を記入
8) その他必要な事項
管理上で必要とされるその他事項を記入
法令遵守の観点からも必須の項目となります。
かなりの量のデータの保管になりますので、運用していきやすい方法の模索は必須と言えるでしょう。
6 アルコールチェックの保存期間
法令遵守の観点から、1年間の保存が必要です。
万が一、問題が発生した際にも保存された記録と参照することによって誤解を解消することができる可能性があります。
保存のフォーマットについては法律で定められた形式があるわけではありませんが、いつでもアクセスできる状態を維持することが記録管理において重要です。
アルコールチェック義務を違反した場合の罰則

2026年2月段階では、アルコールチェックを行わなかったこと、そのものに対する罰則はありません。
しかし一方で、安全運転管理者には、アルコールチェックの実施、結果の記録や、運転者へ安全運転教育を行うことなどの義務があります。
罰則は定められていませんが、アルコールチェック義務を怠った場合、公安委員会より安全運転管理者の解任命令が下る可能性があります。この解任命令に従わなかった場合は、50万円以下の罰金刑が科せられます。
また、従業員が飲酒運転で交通違反をした場合、事業所も同等の罰則が科せられるため、アルコールチェックは必ず行う必要があります。
安全運転管理者制度を違反した場合の罰則
安全運転管理者が適切にアルコールチェック義務を遂行できるよう、警視庁は安全運転管理者制度を定めています。
その安全運転管理者制度を違反した場合はどのような罰則があるのか、罰則の種類は大きく2種類に分けられます。
5万円以下の罰金
1)選任解任届出義務違反
安全運転管理者、副安全運転管理者の選任・解任を行ったにもかかわらず、選任した日から15日以内に当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届出をしていない。
50万円以下の罰金
1) 選任義務違反
乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している事業所・その他の自動車を5台以上使用している事業所で、安全運転管理者を選任する義務があるにもかかわらず選任していない。
2) 解任命令違反
公安委員会が「安全運転管理者が適切に職務を遂行できない」と判断し、使用者に対して当該安全運転管理者の解任を命じたにも関わらず、選任を継続したり、再び選任したりしている。
3) 是正措置命令違反
公安委員会が使用者に対して、その是正のために必要な措置をとるべきことを命じたにもかかわらず、是正措置を行わない。
安全運転管理者を選任するだけではなく、万が一解任命令があった場合には必ず従うことも規則を守るうえで必要となります。
安全運転管理者制度は道路交通法をもとに決められていることに留意しましょう。
従業員が飲酒運転・酒気帯び運転した場合の罰則

従業員が飲酒運転や酒気帯び運転をしてしまった場合、運転者本人だけではなく、事業所や同乗者も責任が問われます。
一体どのような責任が問われるのか、具体的な罰則とあわせて以下で確認していきましょう。
事業所に対する罰則
従業員が酒酔い運転:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
従業員が酒気帯び運転:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
この後に運転をすると分かっていたにも関わらず飲酒を勧めた者、飲酒していると分かっていたにも関わらず同乗した者にも罰則があります。
酒の提供者、同乗者に対する罰則
従業員が酒酔い運転:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
従業員が酒気帯び運転:2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
事業所の責任者や従業員は、自分が飲酒運転をしなければ良い、ということだけではなく、他の従業員にも絶対に飲酒運転をさせない、という意識が大切です。
また、単純な罰則だけではなく、その他に大きな損害を負うことも考えられます。どのような損害を受けるケースが考えられるのか、以下で解説します。
アルコールチェック義務化を遵守しない企業リスク

道路交通法に則り、アルコールチェック義務を適切に行うことを放棄した場合、運転者の飲酒運転事故の可能性が高まることは言わずもがなですが、従業員が飲酒運転事故を起こしてしまったとき、企業は以下3つのリスクがあります。
罰則による人的損失
罰則によって人的な損失が起こる可能性があります。
飲酒運転をしてしまうと、罰金や懲役、免許の停止や取り消しといった罰則が運転者へ科せられるため、違反者がすぐに違反前の業務に復帰することは難しく、退職になってしまうケースも想定されます。
また、代わりの運転者を採用するにも、採用が決まるまで社内の他の運転者の負担が大きくなることや、採用にかかる社内リソースも大きな負担となりうるでしょう。
罰金・慰謝料による経済的損失
酒酔い運転の場合は5年以下の懲役、または100万円以下の罰金、酒気帯び運転の場合は3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられます。
これは運転者に限ったことではなく、事業所にも罰金が科せられる可能性があります。
それだけではなく、被害者への慰謝料や車の修理費なども想定されます。
飲酒運転によって事故を起こすと、刑事訴訟のみではなく、民事訴訟でも慰謝料が発生するケースがあります。
こういった経済的負担は、倒産に至る原因となることもあります。
企業に対する信用損失
企業に対する信用の損失もリスクの1つです。
当然ですが、飲酒運転への世間の目はとても厳しく、運転者本人のみならず会社の責任を問う人が多くいます。顧客や取引先といったあらゆる関係者にもその影響は及び、信頼回復は簡単なものではありません。
信用は金銭では買えません。金銭にゆとりのある企業で、たとえ罰金が科されても問題ない、という場合でも失われた信用を取り戻すことはとても難しいでしょう。
まとめ

アルコールチェックは義務化されています。
安全運転管理者はアルコール検知器を使用してアルコールチェックを実施し、適切に記録・保存管理を行うことが必要です。
安全運転管理者に選任された人は、自身の業務に責任を持ち、事故の発生を防ぐためにもアルコールチェックの記録・保存管理を行いましょう。
アルコールチェックに関する業務の負担が大きいとお困りの事業者様は「BSSforALC」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
アルコールチェックの結果をクラウドで一括管理できるうえ、直行直帰の際のアルコールチェックも確実に記録できる利点もあり、正確かつストレスフリーにアルコールチェック業務を遂行可能です。
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