社用車の私的利用はどこまでOK?認められるケース・NG事例・会社が定めるべきルールを解説!
2026/09/28
社用車の私的利用はどこまでOKなのか
営業車や送迎車として、あるいは荷物の運搬用として、様々な用途で使用される社用車。
業務用として利用することは大前提としても、いったいどこからが私的利用にあたるのか、また、事故が起こった際の扱いはどのようにしたら良いのか、本コラムで解説していきます。
<目次>
結論
社用車は、業務上で使用することが前提の車両を指します。
ただし、法律で一律に禁止されているわけではないため、社用車を私的利用した場合も違法にはなりません。
一方で、税務調査での指摘の可能性や、事故があった場合の保険適用の可否などの問題があるため、就業規則や社用車管理規定の整備と、それによって従業員に適切な利用を促すことが重要となります。
社用車の私的利用で認められる可能性のあるケース
では、社用車の私的利用でどのような場合は認められるのでしょうか。
通勤
通勤時間は業務時間外です。そのため、社用車の通勤時の利用は認められないケースがほとんどです。
しかし、通勤利用を認めることは、社員の通勤負担を減らすことによって業務効率を高める一面もあります。
社用車での通勤利用が認められるケースとしては、営業職など客先への訪問が多い職種、直行直帰の勤務形態が多い営業職は、自宅から直接客先へ訪問した方が早い場合も考えられるため、認めている会社もあります。
営業途中
訪問終了した客先から、次の客先まで時間に余裕があるが、帰社するほどの時間は確保できない時、個人的な買い物をしたり、コンビニで飲み物を買ったりするのは私的利用にあたります。
こちらは税務的観点でNGとなり、ガソリン代の横領に問われるケースが考えられます。
一方で休憩に相当する時間はOKとしている会社もあります。このくらいの時間・距離なら問題ないだろうと判断するのではなく、会社ルールをよく確認することが大切です。
休日
法人名義車両は業務利用を前提としているため、休日利用は原則NGとしている会社がほとんどです。
私的利用する場合はその利用分を適切に経費から除外しなければ、税務調査で経費否認を受ける可能性が高いため、ルールを運用する立場の方は慎重な精査が必要です。
他者への貸出
こちらは税務の兼ね合いもさることながら、万が一事故などがあった際の保険適用が難しくなるため注意が必要です。
業務利用に限定した保険内容であれば、修理費や賠償責任を個人で負担しなくてはならない可能性があります。
一方で、法律上は社用車を社員の家族等が私的利用することは問題ありません。経費として計上しないこと、事故等があった際のリスクを承知して注意して利用すること、そして何より会社から了承を得ることが求められます。
社用車がリース契約の場合
法人としてリース契約にて社用車を利用している場合は、その多くの契約で私的利用が禁止されています。
リースの契約書に「法人の業務に限る」と明記されていることがほとんどであるため、私的利用をすると契約違反となります。
社内規定だけではなく、このケースは他社との規定に左右されている点が他のポイントと異なります。
社用車を私的利用するリスク
あくまでも法律違反ではないのなら、社用車を私的利用しても問題ないのでは?と考える方もいらっしゃるかと思いますが、そうではありません。
社用車を私的利用することは以下のリスクを伴います。
事故時の責任
上記にも記載しておりますが、事故時に保険適用されない、また、生じた損害に対する責任が社用車を保有している会社に向く可能性が高いことが懸念されます。
仮に許可していない環境で社員が社用車を無断使用して事故を起こしてしまったとしても、多くの社用車は車に会社名やロゴの印字がされているため、通りすがりの人や、万一報道されるような事故の際はテレビや新聞を見ている人にも「○○会社が事故を起こした」と思われ、社会的信用にかかわります。事故時の責任は、実情がどうであれ会社に向いてしまいがちであると留意しましょう。
保険適用
上記に付随して、私的利用を禁止したうえで無断使用を厳重に管理していたという場合でのみ、会社側の免責が認められる可能性がありますが、そうではない限り会社として責任を負わなければならなくなります。
実際に従業員が社用車で事故を発生させて相手が重度後遺障害を負ったケースでは、合計で3億円以上の支払いを命じられたケースもあります。
保険に入っていれば全ての社用車での事故をまかなえるという訳ではなく、保険内容によって適用範囲も差がありますので必ず確認しましょう。
燃料代・高速代
私的利用と法人としての利用をきっちり分けて燃料代・高速代を管理する必要があります。私的利用がわかっていながらすべての燃料代・高速代を経費として計上することはできません。
私的利用分は課税対象となる為、税務調査の際に指摘される可能性があります。
どの走行が業務上のもので、どの走行が私的利用なのか明確化しましょう。
不満
たかが不満、されど不満。社用車をきちんと業務のみで使用している人が、私的利用している人を見て不満を抱くのは自然な流れです。
社用車の私的利用に関するルールを会社が定め、適切に運用することで不満を減らす一助となります。
社員の不満を取り除くことは人材確保にも役立つでしょう。
では、どのようにルールを定めるのが良いのでしょうか。
会社が社用車の私的利用ルールを定めるポイント
社用車の私的利用は法的には問題が無いため、会社できちんと運用のルールを定めることがとても大切です。
安易に「私的利用しない」と一文を入れるのみでは受け取り側によってその範囲にばらつきがあります。
範囲の明確化
会社として、社用車を利用してもOKな範囲を明確化しましょう。
通勤利用は?直行直帰は?道中のコンビニ利用は?移動中に昼休みを挟む場合は?ルールを定める側と、ルールに則って社用車を利用する側に齟齬が生まれないようにしましょう。
通勤利用の可否
通勤利用を許可する場合、社外に車を持ち出す時間が長くなるため、通勤中に発生した事故の責任問題や、車両の盗難、私的利用の横行といったデメリットと、従業員の通勤負担軽減や直行直帰による業務円滑化といったメリットの両方をよく照らし合わせルールを定める必要があります。
また、これらは従業員と雇用側だけではなく、保険や税務関係もあわせて考えることが大切です。
社用車の管理を見直すなら
社用車に関するポイントは以下の通りです。
・私的利用に関する法的な制限はない
・税務、保険内容によっての制限はある
・私的利用に関しては社内ルールの整備によって公平さを保つことが必要
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社用車は、会社にとって経費を削減する1つの手段であるので、きちんと運用して従業員も雇用主も気持ちよく社用車を運用できるようにしましょう。
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